今回は高卒の税務大学校の寮生活について紹介します。
当記事では複数ある税務大学校の「東京研修所」の寮生活について書いています。
私は大卒の国税専門官の試験に合格した後、3ヶ月間和光税務大学校で研修生活をしたのですが、正直楽しかったです。
※税務大学校と言っても大学ではなく、ただの研修施設です。
9時5時で講義を受けた後は自由時間で、仕事というよりも学校っぽい雰囲気がありました。
高卒の税務大学校の場所は4拠点
大卒の研修は和光税務大学校の1拠点で行われるのに対して、高卒の研修生活は4拠点の研修所で行われます。
- 札幌国税局及び関東信越国税局採用 → 関東甲信越研修所
- 仙台国税局、東京国税局、名古屋国税局及び沖縄国税事務所採用 → 東京研修所
- 金沢国税局、大阪国税局、広島国税局及び高松国税局採用 → 大阪研修所
- 福岡国税局及び熊本国税局 → 熊本研修所
各研修所の場所は以下の通りです。
- 関東甲信越研修所 「〒351-0104 埼玉県和光市南2丁目3-9」
- 東京研修所 「〒273-0044 千葉県船橋市行田2丁目6-5」
- 大阪研修所 「〒573-0084 大阪府枚方市香里ケ丘10丁目1-11」
- 熊本研修所 「〒862-0902 熊本県熊本市東区東本町16-1」
東京研修所の立地と周辺環境
東京研修所は千葉県船橋市の住宅街に位置しています。
最寄り駅は東葉高速鉄道「船橋日大前駅」で、徒歩約15分の距離です。
アクセスのポイント
都心へのアクセスは東葉高速鉄道で西船橋駅を経由すれば、JR総武線や東京メトロ東西線に乗り換えて池袋や新宿、渋谷などに行くことが可能です。ただし、東葉高速鉄道は運賃が高めなので注意が必要です。
研修所周辺にはコンビニやスーパーがあり、日用品の買い物には困りません。
ただし、繁華街からは離れているため、週末に都心で遊びたい場合は電車での移動が必要です。
東京研修所の施設について
東京研修所には以下のような施設が整っています。
主な施設
・講義室(複数)
・食堂
・体育館
・図書室
・売店
・寮(男女別棟)
体育館では放課後にバスケットボールやバレーボールなど、同期と運動して汗を流すことができます。
図書室は勉強スペースとしても活用でき、自習している研修生が多く見られます。
税務大学校の偏差値は存在しない
検索窓に「税務大学校」と入力すると「偏差値」とサジェストされることに強い戸惑いを覚えた僕たちは
— ねじまき (@nejimakipengin) September 20, 2017
高卒の国税専門官の1年間の研修
でも大卒で職が見つからないなら、高卒で税務大学校に行ったほうがよほど安定している。今どき珍しい高卒の受け皿。
— Hideo Seki (@seki33) December 11, 2019
高卒の国税専門官の試験に合格すると、4月から千葉県船橋市の東京研修所で1年間研修生活を送ることになります。
大卒の場合は3ヶ月なので、4倍も寮生活をすることになります。
大卒の研修生活は「楽しかった」と言う人が多いですが、高卒の研修生活は「苦しかった」と言う人が多いです。
大卒以上に高卒はルール厳守で、「誰かがルールを破ると連帯責任で怒鳴られる」ことがしばしばあります。
研修所の教育官と教育官補佐
研修所には40代前後の教育官と20代後半の教育官補佐が、研修生の面倒を見てくれます。
教育官補佐は通称、官補(かんぽ)と呼ばれています。
ちなみに大卒の方は高卒ほど厳しくされません。
大卒で研修期間に辞めた人は私が知っている限りは1名しかいませんでしたが、高卒の方が1割の人が研修期間に退職しています。
高卒の国税専門官の年齢層
高卒国税専門官採用者の年齢は18歳〜21歳です。
未成年と成人が入り混じっていますね。
税務大学校の給料
税務大学校では研修とはいえ仕事なので、給料が貰えます。
税金の勉強をしながら給料が貰えるのは最高ですね。
高卒の寮は2人1室
大卒の場合、寮は1人1室ですが高卒の場合は2人1室です。
寮の部屋は8畳で、勉強机2つと布団2つでいっぱいになるくらいの狭さです。
気の合う人と相部屋であればいいですが、気の合わない人だと精神的負担がデカいですね。
数か月に1度部屋を移動するので、その時に相部屋の同期も変わります。
東京研修所の寮の設備
東京研修所の寮には以下のような共用設備があります。
- 各フロアに共用トイレ・洗面所
- 各フロアに共用シャワー室
- 1フロアにコンロ付き調理スペース(ほとんど使われていない)
- 洗濯機・乾燥機(有料)
- 自動販売機
個室にはテレビがないため、テレビが見たい人は食堂や共用スペースを利用することになります。
税務大学校でカップル誕生
男女別とはいえ、1年間同じ空間で研修生活をすることになるので、多くのカップルが誕生します。
国税では税務大学校で付き合うことを「税大マジック」「税大カップル」と言ったりします。青春ですね(笑)
ただ、そのままストレートで結婚する人は少ない印象です。
寮の門限
税務大学校のスケジュールは以下の通り。
- 6:30 起床
- 7:00 ラジオ体操
- 8:30 研修開始
- 17:00 研修終了
- 20:25 門限
- 22:30 点呼
- 23:00 就寝
講義が終わるのが17:00なので、ほぼ遊びには行けないですね。映画館で映画1本見に行けるかどうかってレベルです。
しかも、20:30以降は「静粛時間」と言われており、寮からは出ることは許されません。
また、寮にいる時は部屋の鍵を閉めてはいけません。理由は見周りの人が部屋の様子を見回りに来るためです。
その分、勉強が捗ります。国税専門官は真面目な人が多いので自主的に勉強会を開いて簿記や税法の勉強する人もいます。
税務大学校の食堂
基本的に平日は3食とも税務大学校の食堂で食べることになります。食堂の料金は500円前後です。
私は大卒で、高卒の研修は受けたことはないですが東京研修所の食堂のご飯を食べたことがあります。味は普通でした(笑)
東京研修所には一応、寮の1フロアにコンロがあって調理可能ですが、使っている人はあまりいません。
寮生活の最初の1ヶ月目は外泊禁止
寮生活の1か月目は外泊が禁止されています。とはいえ、1か月目からどこかに外泊する人は少ないと思うので、あまり問題ないですね。
1ヶ月目は寮生活に慣れるのが必死で、講義が終わるとグッタリしてしまう人が多いです。
税務大学校の研修内容
①税法科目、②実務講義及び実地研修、③簿記会計学、④班別活動、⑤民法、商法・会社法及び経済学等の法律・経済科目等などにより編成しています。
なお、1年間のうち最後の3か月については、確定申告期に税務署において実地研修を行うなど、税務署配置後の実務へのスムーズな移行を図るための実務的・実践的なカリキュラムで実施しています。
出典:国税庁のHP
研修内容のポイント
ごちゃごちゃ書かれていますが、簿記・税法・法律の勉強が中心です。講義90分+10分休憩を1日に複数回繰り返します。一般的な大学の講義と同じ講義時間ですね。
税務大学校の講師陣
講師陣は、優れた学識を持つ大学教授や、実務経験豊富な国税庁内の職員から選任された教育官によって構成しています。
出典:国税庁のHP
税務大学校の授業は殆どが単調な授業なので、居眠りする人が続出します。
税務大学校の講本
税務大学校の税法の授業は講本に沿って行われます。
講本は国税庁のHPからダウンロードできます。
研修のテストも基本的に講本から出題されます。
高卒の研修時代の成績は出世に直結
大卒の研修時代の成績は出世に関係ありません。
しかし、高卒の研修時代は出世に非常に関係しています。
成績上位者の特典
・「金時計」と「寸志」を貰える
・出世しやすくなる
・大規模署に配属されるケースがほとんど
税務署で出世コースを歩みたい人は本気で勉強する必要があります。
研修後のキャリアについて
税務大学校での1年間の研修を終えると、全国の税務署に配属されます。
配属先は成績や希望を考慮して決定されますが、必ずしも希望通りになるとは限りません。
配属後のキャリアパス
国税専門官として働く中で、「やっぱり自分には合わない」と感じることもあるかもしれません。
そんな時は、若いうちに転職を考えるのも一つの選択肢です。税務大学校で得た知識や経験は、民間企業でも評価されることが多いです。
まとめ
以上、高卒の税務大学校(東京研修所)の研修生活について紹介しました。
この記事のポイント
・高卒は千葉県船橋市の東京研修所で1年間の研修
・寮は2人1室で門限・点呼あり
・大卒より厳しい環境だが、成績が出世に直結
・研修中でも給料が貰える
・同期との絆が一生の財産になる
厳しい環境ではありますが、税務のプロフェッショナルとして成長できる貴重な1年間です。
頑張ってください!
コメント